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2019

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▼大柴広己の活動を皆様と共有する為の「コミュニティ」を始めます。


いつも応援ありがとうございます!
大柴広己です。
以前からずっと欲しいと思っていたファンとの交流の場を、
「コミュニティサービス」という形で実現したいと思い、この「もじゃ部」を立ち上げました。

一般的なファンクラブとは異なり、このコミュニティは私だけではなく、皆さんと一緒に作っていく「場」です。
今まで支えてくれた皆さんと一緒に、大柴広己の活動を共有する場所に出来れば嬉しいです。

ご参加頂いた皆さんには、私自身の音楽活動を切り取り、様々な情報やイベントを共有し一緒に活動を楽しんで頂ければと思います。
時にはグッズのデザインを一緒に考えたり、イベントを一緒に作っていけたらいいなと思ってます。


このコミュニティを通じて今後大柴広己とファンがもっと近くなり、盛り上がっていくと嬉しいです!
ぜひ皆さんのご参加を、お待ちしております!



▼大柴広己 - プロフィール



1982 年8月27日生まれ。大阪府枚方市出身。

印象的な天然パーマ、 ハット、あごひげが特徴。

ニックネームは「もじゃ」



▼プランの紹介


<もじゃ部 文字コンテンツ>プラン

月額500円

■大柴広己「全」所有ギター解説

■大柴広己ファンクラブ限定ブログ「旅先より」

■「もじゃ食堂」レシピ解説

※上記の内容を週に1回以上のペースで随時更新いたします。


■もじゃ部交流掲示板「オオシ板」にて交流


<もじゃ部 音コンテンツ>プラン

月額1000円

■もじゃ部 文字コンテンツプランの内容

■もじゃの元気が出るラジオ(月1回更新目安)

■その他、新曲デモ公開、未発表音源の公開、etc

オンラインサロンならではの音コンテンツを随時用意します。


大柴広己シンガーソングライター講座オンラインプラン

月額10000円

■レーベルオーナーである大柴広己(もじゃ)が直接あなたをディレクション!

シンガーソングライター向けのコンテンツです。

※曲のリライトや、歌詞のディレクションなどをオンライン上でライン@等を使って行うサービスを予定しております。


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2019.09.10 10:16

「成田空港に閉じ込められた話」

9/9(月) 札幌 晴れ

am10:00

札幌でのライブを終えた翌朝、泊まっていたホテルをチェックアウトし、コーヒー・ショップでアイスコーヒーをぐいっと流し込んだのち、近くの洋服屋さんで新しい帽子を購入。ずっと探していたタイプの帽子で、思わぬ出会いにホクホクした気持ちで空港へ向かうためのチケットを買い、電車に乗り込んだ。

関東近辺の台風の状況がどうなっているかはその日の夜、ホテルのロビーでチェックしていたのだが、札幌の青い空気と、台風の雰囲気なんてまるでないのんびりとした風にすっかりやられてしまい、まあなんとかなるかあと言うくらいの軽い気持ちでエッチラオッチラ新千歳空港に到着した。

予約したのはいわゆる格安航空会社(LCC)の12時発の便だったのだが、台風の影響ですでに遅延が出ていた。

でも、台風もとっくに通り過ぎたし、遅延があるけど飛行機は飛ぶわけだから、とりあえず成田まで行けばなんとかなるだろワハハ。と思っていた。

そう、ここまで、この瞬間までは。

そして、二時間の遅延ののちに、無事に飛行機は新千歳空港を離陸するとのアナウンス。ほっとして搭乗待ちの列に並んでいると、スタッフと思しきオレンジ色のスーツを着た女性に話しかけられる。

「すみませんお客様。手荷物はお一人二点までとなります。。申し訳ございませんが、荷物をおまとめ願えますか?」

オーマイガーなんと言うことだ、ぼくの朝方衝動買いした新しい帽子が手荷物扱いになってしまい、背中の折りたたみギターと、ショルダーバッグを合わせた手荷物は合計三点。このままでは飛行機に乗れないのだ。

とは言え、せっかく買った帽子が手提げカバンの中でぐしゃぐしゃになるのはあまりにも心苦しいので、しばし考えたのち、しぶしぶ帽子が入っていたブランド名入りのかっこいい箱をゴミ箱にポイと捨て、今被っている帽子の上に、さらに帽子を乗っけたダブル帽子マン状態で無事、カウンターを通過した。もちろんオレンジさんが鼻で笑っていた瞬間をぼくは見逃さなかった。そりゃそうだ。いい歳したモジャモジャの、一体なんの仕事をしてるかわかんないような男が、目の前で帽子の上にもうひとつ帽子を乗せているのだから。笑わないほうがおかしい。

そんなこんなはあったが、どうにか新千歳空港を離陸。たまたまだったが、となりの人もいない。これは案外ゆったりと過ごせるなあと思い、すーっと夢の中へ。快適な空の旅。

zzz...

一時間が少し経った頃、ガタガタ揺れはしたが、想像よりもスムーズに成田空港上空にたどり着き、飛行機は降下体勢に入る。

ただ、台風の影響により、成田の上空は首都高並みに大混雑。飛行機はMacのレインボーカーソルよろしくぐーるぐると旋回したままで、なかなか着陸しない。この時点でなんだかヤバイなヤバイなー、こわいなーこわいなーっと言う空気はプンプン漂っていたのだが、結局30分以上旋回したのち、2時間以上遅れてなんとか到着。

16:00 成田空港 第三ターミナル

第三ターミナルは想像していたよりも全然大丈夫で、外国人や旅行者たちがワイワイとみんな仲良くごはんを食べていた。
朝からほとんど何も食べていなかったぼくは飛行機に乗る前からお腹がぺこぺこで、自宅に帰る前に何かお腹に入れたいなと思い、とりあえず一番最初に目に入ったネギたこ焼き6個とビールをささっと買い込み、スマホでポチポチと帰るルートを調べ始める。

そこで、今の現状をようやく知ることになるわけなのだが、成田空港は、高速道路、京成、JRともに完全に分断され、帰れなくなった人と、いままさにぼくらのようにどんどん空から降りてくる大量の人で溢れかえり、第二ターミナルはまさに地獄絵図の様相だった。この時点で自分が今置かれた状況の深刻さを改めて突きつけられることに。

ヤバいことになったと言う実感はあるにはあったが、経験上、こういう状況で焦って行動に移すことほど危険なことはない。ツイッターでリアルタイムに状況を見ていると成田までは電車が出ているらしく。それならばと空港から成田まで徒歩で二時間ほど歩けば、帰れなくもないのだが、成田までの道の所々は冠水し、夜になれば道も真っ暗だ。何かがあってからは遅い。ぼくは第三ターミナルで朝を迎える決心をした。

18:00 成田空港 第三ターミナル フードコート

人間腹をくくったら、意外と落ち着くもので、とりあえずテーブルの席を一つ確保し、近くのローソンに出向いて、氷のカップをひとつとウイスキーの瓶と炭酸を買って席に戻った。
旅先で美味しいハイボールが飲みたい時、この三点セットがあればじゅうぶんに楽しめる。そうだ。どうせ帰れないんだから、この状況を思う存分楽しまないと。ひろき。がんばる。

簡易ハイボールをちびちびやりながらキョロキョロ周りを見渡すと、ぼくの隣には初老の男性が手帳を見ながら、生ビールを飲んでいて、目の前には学生らしき男の子が美味しそうに長崎ちゃんぽんを食べている。これだけを見ればいま成田空港が陸の孤島になっているという実感はあまりなかった。

20:00 成田空港 第三ターミナル フードコート

しばらくそんなほのぼのとした状態が続いていたのだが、意を決したようにとなりの初老の男性が立ち上がり、第二ターミナルの方に向かっていった。

おそらく19時過ぎ、京成線が一部運行をスタートしたと言うニュースを見て、駅に向かったのではないかと推測したのだが、19時半時点で成田から成田空港までの電車は不通のままで、ツイッターの情報では第二ターミナルだけで10000人を超える人が行き場を失っている状態だ。万が一改札にたどり着けたのしても、東京まで帰れるという可能性はきっと少ない。。すこし心配になってしまった。

21:00 成田空港第三ターミナル フードコート

さっきの初老の男性が帰ってきた。

すかさず目の前の学生が、大丈夫でしたか?と声をかける。ぼくも同じ気持ちだったので、なんだか嬉しい気持ちになった。やさしい子だなあ。おれも学生のとき、あんなにトゲトゲせずこんな学生でいたかったよ(遠い目)

聞けば、やはり第二ターミナルはものすごい人で、改札もまったく前に進めない状況。第三ターミナルで夜を明かす決意をし、諦めて戻ってきたと。

第二ターミナルのコンビニはすでに水や食べ物が枯渇し、水やクラッカーを配っている状態だったが、第三ターミナルのコンビニにはまだわずかだけど水や食料や、酒もあった。
その話を聞くや否やぼくはコンビニに走り、缶ビールを三つと、つまみのサバ缶を買って席に戻り、知らない同士の3人で、はじめましての乾杯をした。

初老の男性は69歳のヤサカさんと言う人で。
58歳で会社を早期退職し、趣味で年間の半分は世界中を旅して歩き、今日も台湾から帰ってきたばかりだそう。喋り方や物腰も柔らかく、いろんな景色を見たり、人と会って体験して、自分の視野を広げてきたんだなと感じた。ちゃんと人の話を聞いてから喋る。当たり前のことが当たり前にできる素敵な人だ。

学生の子は同じく台湾から帰ってきた25歳の外大の大学院生の男の子で、いまはアラビア語や宗教学を勉強しているそう。お互いの両親の話になり、ぼくが遅く生まれた子だと言う話をしたら、ぼくも父が75歳で、ぼくは50歳の時の子供なんですよと言われて驚いた。

自分のミュージシャンと言う仕事柄、どうしてもそっち方面の知り合いばかりが増える。
悪いことではないし、それは素敵なことだと思うが、こんなふうに自分がふだん絶対接することのない人たちとこんな感じでお酒を酌み交わせるなんて、絶望的な気分だった数時間前は考えもしなかった。ヤサカさんもさっきのお礼にと、商品のほぼなくなったコンビニから最後の缶ビールをぼくらのために買ってきてくれた。きっとこのビールの味は一生忘れることはないだろう。

そんなこんなで話が盛り上がってくると、台湾でヤサカさんが知り合ってとても良くしてくれた留学生の子が、なんとその学生くんと同じ大学の同じゼミの同級生だったという奇跡が発覚。鳥肌が止まらない。たまたま同じテーブルにすわった2人にこんな必然が訪れるなんて。世界はきっととても狭い。そしてそれはとても素晴らしい。奇跡はきっと、訪れるべくして訪れる。偶然なんて、きっとないんだね。

乾杯。

22:00 成田空港第三ターミナル フードコート

空港の雰囲気が変わってきた。

きっと第三ターミナルの方が人が少ないと言う情報が流れたのだろう、ものすごい数の人が空港内に押し寄せてきて、コンビニやお店も長蛇の列。ほっこりと飲んでいた僕らも居場所がなくなってきた。寝るにもどこで寝ればいいか。困った。

23:30 成田空港第三ターミナル フードコート

空港の職員とおぼしき人たちが大きなキャリーで大量の水とクラッカーと、そして寝袋を配りはじめた。すごい。きっとこの空間だけでも数千人はいるだろう人たちに配れるだけの物資や寝袋を確保しているなんて。トイレに行っていたので、行列に並び損ねたぼくは少ししくじったなと思って残ったハイボールを飲んでいたら、ヤサカさんと学生くんがぼくの分の寝袋も一緒にもらってきてくれていた。なんてやさしい人たちなんだ。そして、成田空港の備蓄は改めてすごい。いろんなことに感謝な夜。

24:00 成田空港 第三ターミナル 到着ロビー

フードコートは人がいっぱいでもう寝る場所もないので勝手な「川の上流の方が人が少ない理論」でフードコートを後にし、到着ロビーに逆上。
これが大正解。人が少ない、いい感じの寝どころを確保し、寝袋を広げ、ヤサカさんと学生くんにおやすみなさいと言い、長い夜が終わった。

AM 5:00 成田空港 第三ターミナル 到着ロビー

係員がドカドカとけたたましく鉄のドアを開ける音で目覚める。ふと見回すと、ヤサカさんも学生くんもいない。無事に帰れたかな。。
さすがに地べたに寝袋敷いて寝たので身体があちこち痛い。口がベタベタする。おふろはいりたい。。サウナ行きたい。。
ふらふらとトイレに行って用を足すと、洗面所でたくさんのおじさんたちが歯を磨いていた。「ネットカフェかよ」と心の中で、三村風に突っ込んでしまったのはご愛嬌。

AM 5:30 成田空港 第三ターミナル バス乗り場

意を決して、第三ターミナルから出る決意をする。

ネットでは始発から京成線、JRともに運行をスタートしたと言う情報が入ってきた。ただ、第二ターミナルはすでに17000人以上が足止め状態。そんな中で第二ターミナル経由で電車に乗るのは自殺行為に等しい。どうしよう。
そうだ、たしか第三ターミナルから出る東京駅直通のバスがあったはずだ。これならいけると思い、バス乗り場にかけ足で向かうとすでに50人ほどがバスの発車を待っていた。とりあえず並んでみると、きっと同じような考えの人がどんどん並んでゆき、バスが出る頃には後ろに300人ほどの行列が出来上がっていた。あぶなかった。あと5分だけ〜♪とか言って寝てればこのバスにはきっと乗れなくて、途方に暮れていただろう。無事1000円を支払い、東京行きのバスに乗り込んだ。

AM 9:00

大渋滞ののち、東京駅に到着。
最寄りの駅までダブル帽子マンでこの文章を書いている。なんだか周りの視線がやけにうるさい。

AM 10:00

自宅に帰宅。

長い長い、一日がようやく終わりを告げた。

でも、振り返ってみれば、いままで生きてきた人生の中で忘れられない一日になったように思える。滞在を一日延ばして札幌でジンギスカン食ってたらきっとこんな気持ちになることはなかっただろう。人の優しさと。奇跡みたいな瞬間にも触れ合うことができた。なんだかんだある世の中でも、人は美しくて、人生は素晴らしい。そう思えたことがぼくがあの17000人の中にいた必然に思えてならない。改めて思う。偶然なんて、きっとないんだね。

陸の孤島、成田空港。

なんか、ラップみたいだな。

感謝。

6 コメント
11日前
ゆきゆきて

非常事態の中でも最小限の消耗で回避されたようで何よりです!いかなる状況下であっても素敵なものひとことひろいあつめる才能!おーしばさんが日々感じる機微!言葉にしてくれるのうれしすぎたのしすぎです♡

ダブル帽子のおーしばさんて(≧ω≦。)プププ

10日前
大柴広己

こんな状況だと、逆に楽しまないとね。発想の逆転。

11日前
GAMI

ダブル帽子マンひろきw、想像してワロタんですけどw、読んでほっこりしたっす。こーゆー時こそ、落ち着いて、優しくいられる人でいたいですね~♪(*¯︶¯*) ホンマにお疲れ様でした、とにかくよかった無事帰れて♪なんか、今回ので、曲作って欲しいなw

10日前
大柴広己

さすがに曲にはならん。笑。

11日前
ゆうこはん

仕事の休憩中に読んでなんだか泣きそうになりました😭
楽しもうと決意した大柴さんもヤサカさんや学生くんの優しさも見習いたいです🍀
人生捨てたもんじゃないですね✨ほんとうに長時間お疲れ様でした!ゆっくり休んでくださいね😊🍀

10日前
大柴広己

素敵な2人に出会えてよかったですよー。こちらこそ。

11日前
カミュ。

出逢は奇跡。人は優しい。
アナタと出逢えて感謝。
なんか涙でたわ。
ホントお疲れ様でした。
伝えてくれてありがとー。

10日前
大柴広己

ね、なんか泣けるよね。笑

11日前
.+:。 ☆エリィ☆。:+.

ドラマチックやわぁ~🎥
もう序盤で"ダブル帽子マン"出てきた時点で、めっちゃ応援したよ📣ガンバレー!!って(涙)
寝袋の写真📷️に書いてあった「Let's Go Camping」の文字が、、、一番泣けた(笑)
ほんま無事で良かったょ😌おかえり~🥃

10日前
大柴広己

以前買った寝袋と同じやつもらったわ。笑

10日前
maruco

ヤサカさんのお返しビールの味は一生忘れない…なんか深いなぁ✨ってじーん。としました!!
大柴さんの短いツイートも、長文の投稿も、、、色んな景色が見えてきそうで、読むのがいつも楽しみです😊

10日前
大柴広己

あのビールの味は、マジで沁みました。じわり。

2019.09.09 17:41

大柴広己全所有ギター解説

GIBSON J-45 66年製

何を隠そう、ぼくが一番最初に買ったマトモなギターがこのギターである。いや、正確に言えばマトモなのはブランドと品番のみで、あとはとんでもなくひどいギターだった。というのが正しい。

このギターを買ったのはまだ高校生だった18歳の時。
雑誌の通販ページをペラペラとめくっていたらこのギターが広告に載っていた。確か値段は20万円くらいだったと思う。

ギブソンのJ-45と言えば、いわゆる世界で最も有名なアコギのひとつで、サンバーストと呼ばれる茶色いボディのやつはよく見かけていたのだが、塗り潰しの真っ赤なカラーに白いピックガードが付いているモデルは初めて見たので、思わずそのページに釘付けになったのをはっきりと覚えている。

販売していたのは埼玉の中古楽器店だった。それ以来ほぼ毎日のようにぼくはその楽器店に「あのギターはまだ売れていないか?」「予約の電話はまだないか?」などと、向こうからすると、はたまた迷惑な電話をかけまくり、スーパーの鮮魚コーナーで、魚の内臓をゴミ箱に捨てるだけと言う心身ともにエモいバイトをえづきながら1ヶ月間毎日続け、お金を貯めて購入した思い入れがあるこの楽器。

埼玉から大阪の実家に届いた時、まず最初に興奮したのは僕ではなく母親(むつこ74歳)の方で、ヤマトさんからギターが届くなり、いの一番にダンボールからギターを取り出し、早く弾いてみなさい。だの、どんな音がするのかねえ?だの僕を焦らせるむつこ。僕のせっかちな性格はどうやら母親譲りらしい。でもそりゃそうか。20万近い楽器がウチに届くなんて、小さい頃にピアノを買ってもらって以来だもんな。。

てなわけで、ハードケースから取り出されたそれは想像してたよりもはるかにボロボロで、傷を通り越してあちこちが陥没している状態。ペグなんて腐っててまともに回らないし、明らかに木が割れてる箇所があったりしたのだが、なんとかチューニングし、とりあえずEコードを鳴らしてみる。

「ジャ〜ン!」

その時の家族の顔を未だに忘れることはない。

すっごい、ひどい音だったのだ。

むつこ「20万のギターってこんな音なんかねえ?」

みのる(父)「ばかもの、この乾いた感じが本来のギターの音というものなのだ」

ゆきえ(祖母)「おばあちゃんにはわからんわあ」

たみえ(妹)「音、悪っ」

具体的に言うなら、とにかくネックが完全に逆側に鬼反りしていて、いわゆるギターの低音の概念などまるでなく、ただペラペラのペシャペシャの干物のような音。
ネックも異常なくらい細く、元柔道部上がりのぼくのゴツい手にはあまりにも頼りない、そんなギターだった。
その時のぼくの目は、あのバイトでゴミ箱に捨てられた悲しいマグロの目のような顔をしていただろう。
ああこれはきっとマグロの呪いだ。悪い夢だ。
20万も出してわざわざこんな鳴らない見た目だけのギターを引き当ててしまうなんて、、おれはなんて愚かなんだ。。

そんなこんなでバイトも辞め、傷心し、このギターをなんとかいい音だと自分に思い込ませるためにシコシコ毎日弾いていたところ、すぐ近所に凄腕のギターリペア職人がいると言う噂を聞きつける。

それが枚方の川沿いにある「アウトプット」ギターと言う店で。ここに通うことがぼくの人生を大きく変えることになる。

学校から近かったこともあり、学校帰り、店にギターを持ち込み、店長であり、リペアマスターの園尾さんにギターを見せたら、一言。

「あー、こりゃきみ。つかまされたね。ガハハハ」

と言われ、このギターに何が問題があるかを訥々と1時間ほど教えられ、即、入院と相成ったわけで御座います。

それ以来というもの、学校の部活(柔道部)終わりにアウトプットギターに通う生活が続く。

マスターは店に行くといつもブラックコーヒーを入れて、マッキントッシュの古いアンプからアナログのレコードをかけてくれた。ジェイムス・テイラー。ダニー・ハサウェイ。ボブ・ディラン。オーティス・レディングやサム・クックにニール・ヤング。
ぼくが音楽をまだあまり知らないと言うと、これを聴けと毎回アルバムを一枚貸してくれた。

アナログレコードと、コーヒーの匂いと、床に散らばったエロ本。笑。が、ぼくのこの店での思い出だ。

ここに通うようになり、飲めなかったブラックコーヒーが飲めるようになった。音楽や、ギターの概念はリズムだってことを教えてくれたのも。この店。

学校の部活に行き詰まってたことも相まって、そんなこんなで、そんな生活が三ヶ月ほど続いたのち、ギターが直り、マイクを取り付けたり、ブリッジをかえたり、フレットをかえたり、ペグを新品に取り替えたり、ボディの中の力木を再接着したりして、大改造の果てにこのギターは生まれ変わった。

最初に弾いた時の感触を忘れられない。

干物とか言ってごめんなさい。
生まれ変わったその音はまさにヴィンテージと言えるジャキジャキとした乾いた音で、深く、どこまでも続く青い海みたいな音だった。ボディは赤だったけどな。

そのまま閉店まで「帰れ」と言われるまで何時間も弾いていたぼくは、この楽器がきっかけでまんまとヴィンテージ楽器と、音楽そのものの魅力にハマっていくことになる。

そして、それから大学に進学し、23歳でデビューして、東京に出るまでの5年間、ほぼ毎日店に通い続けた。

あれから20年だった今も、たまに顔を出すと、昨日もきたような顔で「おー」と迎えてくれるマスター。

今はすっかり現場に投入されることも少なくなってしまったこのJ-45だけども。いまもこのギターを弾くと、そんな学生だった頃の記憶と、ブラックコーヒーの匂いがふっとフラッシュバックする。

これは、そんな人生を変えるきっかけをくれた大事なギターだ。

今なら、こう、はっきりと言える。

最初、音悪いとか言ってごめんな。

だけど、きみと、アウトプットギターがなかったら、きっといまのおれはいなかったよ。

おれを、プロのミュージシャンにしてくれて、本当にどうもありがとう。

7 コメント
12日前
GAMI

なんか。。拍手!w
この子のおかげで今の大柴サンにワタシも会えたんかな♪
お賽銭投げて拝みたいです、神やねw

12日前
大柴広己

ははーっと。もしもステージに登場した際にはお祈りください。

12日前
まっとん

アウトプットギターはまだあるんでしょうか?凄く気になる(^^)

12日前
大柴広己

まだありますよー。京阪枚方市駅より徒歩10分。

11日前
.+:。 ☆エリィ☆。:+.

なんか、、ありがとう(笑)✨あの時の18才のまぐろの様な悲しい目をしてたキミも。。アウトプットギターさんも。。

10日前
大柴広己

こちらこそ、なんかありがとう。笑

11日前
ゆきゆきて

素敵なおはなし✧‧˚
ギターと共に語られる大柴ヒストリー 知れば知るほど今まで以上に大柴さんのうたがギターが色濃くささってしまいます
(´□`)⇒グサッ!!‪‪❤︎‬

10日前
大柴広己

いま残ってる楽器はみんな何かしらのエピソードがあるギターばっかりですよ

11日前
ゆうこはん

えぇ話や😭
この子も大柴さんと出逢えて幸せやね〜✨

10日前
大柴広己

こいつに出会わなければきっとここまで音楽できてないですね

11日前
春爛漫

偶然とか必然とかより、運命的な出会いという言葉が似合いますね!そこから始まったドラマは続くんですね~✨

10日前
大柴広己

人生はドラマ、ギターもドラマ。

11日前
カミュ。

このコ赤鬼かな?
青鬼truthと赤鬼が並んだひとりオーケストラ。ステキなライブだった思い出。
こんなに詳しく出会いを知ったのはじめてかも。
ふぁ、ファンクラブ入ってよかったわ。笑
音も他のコ達のコトも、また聞かせてね。

10日前
大柴広己

徐々に解説していくわ。笑。お楽しみに。

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